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葬儀コラム

葬儀の知識

死亡診断書は誰が書く?

死亡診断書とは、医学的・法律的に人が死亡したことを証明する書類です。

また、保険・医療・福祉に関する基礎資料として、また医学研究をはじめとした各分野での資料として死因統計作成のベースとなるのが死亡診断書です。

法律的に死亡を証明するためには、医学的知見に基づく証明が必要です。そのため、記入者は医師、歯科医師に限られます。

しかし、医師・歯科医師ならだれでも良いというわけではありません。
死亡診断書を交付することができる医師には条件があります。

死亡診断書の内容

死亡診断書には以下のないようが記載されます。

  • 死亡者の氏名・性別・生年月日
  • 死亡した年月日・時間
  • 死亡した場所・その種別
  • 死亡の原因
  • 死因の種類(病死及び自然死、交通事故等)
  • 外因死の追加事項
  • 1歳未満で病死した場合の追加事項
  • その他特に付言すべきことがら
  • 診断医師名・病院名・年月日

死亡診断書には多くの情報が記載されます。例えば死因についても直接の死因だけではなく、他の病態を併発した場合は、医学的因果関係にしたがって傷病名やその期間が記載されます。

死亡診断書を交付できる医師とは

死亡診断書は医学的に死亡を証明するもので、死亡者本人の死亡に至るまでの過程を詳細に表します。

死亡診断書を作成できる人は、医師・歯科医師に限られていますが、どの医師・歯科医師でも書けるわけではありません。自ら診察しないで死亡診断書の交付をすることは禁じられています。

診療中の患者が亡くなった場合は、死後改めて診察を行い、生前に診療していた疾病に関連すると判定できる場合は、死後診察のうえ死亡診断書が交付されます。なお、最終の診療後24時間以内に亡くなった場合は、改めて死後診察を行うことなく死亡診断書が交付されます。

死亡診断書の発行費用

死亡診断書の発行にかかる料金は病院によって異なりますが、概ね1通あたり3000円から1万円程度が目安となります。

死亡診断書と死体検案書の違い

死亡の証明をする書類には、「死亡診断書」と「死体検案書」がありますが、同じ書類です。
標題が「死亡診断書(死体検案書)」となっており、必ずどちらかの書類に該当するのですが、もう一方の該当しない方を二重の横線で消すことで示します。

死亡診断書は、医師の診療を受けていた人が、診療を受けていた病気やケガが原因で亡くなった場合に発行される書類の名称です。

一方で直前まで元気で、診療を受けていなかった人が急に亡くなった場合に交付される書類は死体検案書となります。死体検案書は、監察医や警察医による検案という死因を特定する検査が行われ、その後、死体検案書が交付されます。

もし検案で死因が判明しない場合は行政解剖が、事件性の疑いがある場合は司法解剖が行われます。


なお、医師の診療を受けていた人でも、診療を受けていた病気やケガと死因が異なる場合は死体検案書の作成が必要になります。

検案にかかる費用

検案にかかる費用は基本的に遺族負担となりますが、監察医制度が導入されている地域では一部公費で負担してくれます(東京都は無料)。また、地域によって検案費用が異なります。

検案費用は全国一律ではなく、既定の料金があるわけでもありません。検案料、検案書発行料、遺体搬送料、保管料などを含めると、数万円から数十万円程度かかることもあります。

なお、事件性の疑いがある場合に行われる司法解剖については、すべて公費で行われます。

死亡届の記入

死亡届は死亡診断書(死体検案書)と一つの書類になっています。

左側半分が死亡届で届出人が記入、右半分が死亡診断書(死体検案書)で医師が書きます。

死亡届の記入は、戸籍法で定められている「届出人(届出義務者)」が行うのが原則です。

優先順位も次の1から3の順番で決められています。

  • 同居の親族
  • その他の同居人
  • 家主、地主、家屋の管理人、土地の管理人

そのほか、同居の親族以外の親族、成年後見人・保佐人・補助人、任意後見人も届出人として認められています。

これまで届出には届出人の「押印」が必要でしたが、戸籍法の改正にともない、2021年9月から押印は任意となりました。

死亡届を提出する

死亡届と死亡診断書(死体検案書)は、死亡の事実を知った日から7日以内に提出します。

国外で亡くなった場合の期限は、亡くなったことが分かってから3ヶ月以内です。

正当な理由がないにもかかわらず、期限内の提出を怠ると、戸籍法により5万円以下の過料に処されます。

死亡診断書(死体検案書)と死亡届を提出する場所は役所です。

ただし提出する役所は、以下の3つの場所を管轄する役所に限られます。

  • 死亡者の本籍地
  • 届出人の住所地
  • 死亡地

故人の住民票がある役所でも、上記に該当しなければ受理されません。

なお、死亡届は法律上、届出義務者が役所へ持参することになるのですが、実際は葬儀社が使者として役所への届出をし、「埋火葬許可の申請」を行っています。

死亡診断書はコピーを取っておく

死亡診断書は、死亡届とともに役所に提出するもので、一度提出した書類返却してもらうことができません。

しかし、死後の手続きや相続手続きで、死亡の事実が確認するために死亡診断書の提出が求められることがありますので、提出前に必ずコピーを取っておきましょう。

例えば、次のような場面で死亡診断書の提出が求められます。

・国民年金(遺族基礎年金・寡婦年金)の請求

・厚生年金(遺族厚生年金)の請求

・共済年金(遺族共済年金)の請求

・雇用保険受給者資格証の返還

・生命保険の死亡保険金の請求

・健康保険加入者の埋葬料請求

・自賠責保険の請求

・携帯電話の解約

・固定電話の解約

・証券会社の相続手続き

コピーが不可の場合、死亡の事実を確認できる以下の類の書類の原本の提出が求められることがあります。

・戸籍または除籍の全部事項証明書(謄本)・個人事項証明書(抄本)

・死体(胎)火葬許可証または火葬済証明書

・死亡届記載事項証明書(死亡届の写し)

・死亡の記載がある住民票の写し

必要書類は申請時に確認するようにしてください。

死亡診断書の再発行はできる?

万が一、死亡診断書を紛失してしまったり破損してしまった場合、再発行できるのでしょうか。

病院で再発行できる

病院は遺族の要請があれば、死亡診断書の再発行に応じる義務があると定められています。

そのため死亡診断書の再発行が必要な場合は、発行元の病院で再発行の対応をしてくれます。ただし、再発行は保険請求その他の権利・利益関係に重大な影響を及ぼすため、請求できるのは、原則、故人の配偶者もしくは三親等以内の親族のみとされています。それ以外の請求については委任状が必要です。

なお、再発行については時間がかかる可能性もあるので、事前に病院側に確認しておくようにしましょう

届出後は死亡届記載証明書を請求

死亡届を提出後であれば、死亡届記載事項証明書(死亡届・死亡診断書の写し)を請求することができます。

死亡届記載事項証明書の請求先は、そのタイミングによって異なります。

死亡診断書を提出してからしばらくの間は、管轄の役所に保管、その後は法務局に保管場所が移されます。

本籍地がある市区町村役場に死亡届を提出した場合

死亡届提出から1ヶ月以内であれば死亡届を提出した市区町村役場

死亡届提出から1ヶ月以上であれば本籍地を管轄する法務局

本籍地以外の市区町村役場に死亡届を提出した場合

死亡届提出から1年以内であれば死亡届を提出した市区町村役場

死亡届提出から1年以上であれば本籍地を管轄する法務局

死亡届が移動されるタイミングは、役所によって異なるので、事前に問い合わせをしたほうがいいでしょう。

再発行に必要な物

死亡診断書の再発行に必要なものは、一般的には以下の通りです。

  • 身分証明書
  • 故人との関係性を証明する書類(戸籍謄本など)
  • 委任者からの署名と捺印のある委任状
  • 死亡診断書の再発行費用

死亡診断書は、医学的・法律的に人が死亡したことを証明する書類であり、保険・医療・福祉に関する行政の重要な基礎資料で、医学研究をはじめとした各分野においても貴重な資料となっています。

それと同時に、死後の手続きや相続手続きの際、死亡の事実を確認するための重要な書類でもあります。書いた後は忘れずにコピーをとっておくようにしましょう。

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学研ココファンのお葬式「ここりえ」
終活・葬儀・お墓アドバイザー 吉川美津子

保険金の請求や勤務先に死の事実を確認する書類として、死亡届・死亡診断書のコピーの提出を求められます。多くはコピーで大丈夫なのですが、遺族年金の請求や民営化前の郵便局の簡易保険、国家公務員・地方公務員共済など、コピー不可という場合があり、その場合は死亡届記載事項証明書が必要になります。

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