プレジデントオンラインで、「忌み言葉」についての記事が記事が掲載されていました。
(以下、)
結婚式に関する忌み言葉にもまして、葬式には忌み言葉やタブーが数多く存在します。
葬式での忌み言葉の例としては、まず、重ね言葉があります。「重ねがさね」「次々に」「繰り返し」「たびたび」「ますます」「くれぐれも」のように、不幸が重なることを連想させる言葉は使いません。
また、生や死に対する直接的な表現も使いません。「死亡する」や「亡くなった」は、「他界する」「ご逝去」などに言い換え、「生きていた頃」「生存中」などは「お元気だった頃」に、「事故死」「病死」などの死因について葬儀の場で言及するのは避けましょう。
(中略)葬式で避けたい忌み言葉と言い換え
例
再び→今一度
追って→後ほど
引き続き→これからも
忙しい→多用
忌み言葉とは、「重ね重ね」「かえすがえす」など同じ意味をかさねたものや、「再び」「続いて」など次々と連鎖していくイメージの言葉をいいます。
「言霊(ことだま)」という言葉があるように、言葉には霊が宿るという言い伝えがあり、不吉な言葉を口にしないようにする慣習があります。
「忌み言葉」を発したからといって、実際に不幸が起きるわけではないのですが、少しでも凶事を遠ざけたいという思いから伝わった文化なのでしょう。
現場で気を付けることは
しかし、実際の現場では、忌み言葉に対して批判をする人は……30年間出会っていません。
「いろいろとありがとうございました」
「なかなか会えなくて……」
「くれぐれもよろしくお伝えください」
といった言葉は遺族・参列者、どちらの立場の方からも自然に出てくるものですが、失礼な表現でしょうか?
マナーとして「忌み言葉」というものがあることは知っておいた方が良いとは思いますが、だからと言って、完璧に言葉を選んでお話される方はほとんどいないと思います。
ただ、忌み言葉よりも、喪失に直面した人に対して、次のような心無い発言(と受け止められてしまう)は気を付けた方が良いかもしれません。
励ましや慰めは、時に相手を追い込んでしまうこともあります。
「大往生」の是非
「大往生でしたね」
とお声がけをしたら
「そうね、ただもう少し一緒にいたかった」
そういわれてハッとしました。
高齢の方が亡くなったとき、「大往生」という表現を使うことがありますが、
この「大往生」は高齢の方すべてに使える言葉ではありません。
身内を亡くした寂しさは、故人の年齢とは関係なく、「もっと長生きしてほしかった」という気持ちを抱いている家族も少なくないでしょう。
「天寿を全うされて」という言葉も同様で、頭ではわかっていても、人から言われると、傷心してしまう言葉は意外とあります。
例えば
●励まし
「早く元気になって」
「〇〇さんのためにも頑張らなきゃ」
●他人との比較
「あなたはまだ良いほう」
「もっとつらい人もいる」
●回復の早さをほめる
「〇〇さんは強いわね」
「案外元気そうでよかった」
何か気の利いた言葉をかけなければ、と思うと、悪気はないのに相手を傷つけてしまう言葉を投げかけてしまうことはあるものです。
周囲は悲しみや怒りをさえぎらず、思いを受け止める姿勢で寄り添うことが、グリーフケアの第一歩につながります。
学研ココファンのお葬式「ここりえ」
終活・葬儀・お墓アドバイザー、社会福祉士
吉川美津子
マナーの本質は思いやり。気を配りつつも、弔意を示し、「気にかけている」という姿勢を表すことが大切です。