引き取り手がなく、自治体が代わりに火葬をしたケースが、推計4万2千人に上ることが厚生労働省による初めての調査で明らかになりました。

厚労省から委託を受けた日本総合研究所が調査し、全国の約1160市区町村の回答を分析。身元不明の場合や、身元が判明していても親族らに引き取られなかったケースを含め、自治体が23年度に火葬や埋葬をした遺体は全国で4万1969人と推計した。23年の全死亡数(約157万6千人)の2.7%だった。 対応手順に関する独自のマニュアルや内部規定が「ある」とした自治体は全体の11.3%だった。
共同通信 2025年3月28日
引き取り手のない遺体については、そもそも身元がわからないケースと、身元は判明しているにもかかわらず引き取り拒否というケースとがあります。身元不明者は「行旅病人及び行旅死亡人取扱法」、身元判明者は「墓地埋葬等に関する法律」を根拠法として死亡地の市区町村長が埋葬・火葬を行います。
引き取り手のない遺体については、故人の遺留金品から葬儀(火葬)費用をまかない、不足する場合に公費を充てるのが原則ですが、実際は遺留品の処理や保管、事務手続きや他の債務の弁済もあり、20万円程度の公費が使われています。 今回の調査は引き取り手のない「遺体」についてですが、行き場のない「遺骨」についてはすでに調査がなされていて、自治体での保管状況については、2021年10月の時点で、少なくとも全国で約6柱(2023年総務省調査)はあると確認されています。
身近に頼れる縁者がいない「おひとり様」の場合、縁者に代わる第三者に自分の老後や死後を託す必要があります。こうした見守りサービスのほか、身元保証、日常生活サポート、死後事務委任契約等を含めた高齢者等終身サポート事業を行う事業者も増えています。

学研ココファンのお葬式「ここりえ」
終活・葬儀・お墓アドバイザー 社会福祉士
高齢者等終身サポート事業については、監督省庁がなくトラブルが多発していました。このような背景を受けて、2025年、関係省庁が横断で、事業者が遵守すべき法律上の規定や留意すべき事項等を整理し、『高齢者等終身サポート事業者ガイドライン』が策定されました。